24 May, 2011

そうだ、東寺いこう ~五重塔編~




お坊さまが歩く京都、舞妓さんが歩く京都、観光客が歩く京都。
そして今の季節、最もよく目にするのが修学旅行生。


京都にいるのにお寺にしばらく行ってないぞ、と思い
そうだ、東寺に行こう! 家から自転車ですぐだし、
なんでも国宝の帝釈天像はイケメンで名高いらしいし!!


国宝の山であるお寺さまに行くのに不純な動機で向かったわたし。
そして図らずも、修学旅行生の団体に混じることになり、
それが東寺探訪を思わぬ感動の時間とさせてくれました。




京都のシンボルとも言える五重塔。
五重塔と言えば八坂の塔(法観寺)でしょ、と思っていたわたしに、
夫は「いや、京都人にとっては五重塔って言ったら東寺でしょ。 
前よく通るし。八坂のほうは観光地だからなあ」とひと言。
な~るほど。まだまだ観光者気分のわたしは、
駅向こうの東寺のほうにあんまり行ったこともないし、
京都のかたに馴染みのあるという五重塔を近いうちに観にいこう、
と心に決めていたのでした。


当日は雲ひとつないパキッとした快晴。
むしろ暑すぎる…初夏を通り越して夏の始まり、と言えるようなカンカン照りの日。
ゆっくり境内を歩く。参道では縁日の準備が始まっている。
大きな樹の影がはっきりと濃い昼下がり…





このお堂の壁側面に並んでいるのは…

ひとつひとつ異なる、如来、菩薩、明王が描かれている。



アップで見るとこんな感じ。


ほのかに賑やかな参道を通り過ぎ、
御影堂に入る。



「聖域につき、自転車乗り入れ禁止」。こんな注意札も、京都では納得。

御影堂では、お経をあげてもらっている人がいたり、
熱心に祈っている人もいて、静粛な時間が流れていました。



御影堂側から参道を望む。厳粛な時間と対比する縁日の眺め。


静かなお堂をあとにし、メインイベントの五重塔に向かう。
修学旅行生が多い、きっとここだな、と思いながら拝観券売所を見つけ、
敷地に入ると見えてきた、見えてきた、五重塔。
近づくにつれてその大きさが増し、前に着く頃にはさすがの圧巻の眺め。
これが本物かあーと感慨深く思いながら、内部に入る。



これが江戸時代から建っているなんて!
 
おもての暑さが信じられないほど、
ひんやりと冷たい空気に包まれてほの暗い。
真ん中には四つの柱に囲まれた仏像、
四方の壁には偉いおかたと思われる僧侶の画。
あれ、お坊さまの足もとには靴も描かれているなあ、
と目を凝らして見ていると、修学旅行生数人の班が入ってきて、
一班ごとに同行しているとみられるガイドのおじさんの説明を受けている。
おっ、いいなあ。わたしも解説のおじさんにお話してもらいたいなあと思っていた矢先、
出口近くの学芸員のおじさまに声をかけていただいた。

「この四方の壁にはね、弘法大師(=空海。東寺の創建に関わった人)をはじめとして、
 全部で8人の高僧が描かれています。
 足もとに靴が描かれたかたは中国の人、
 サンダルのようなものが描かれたかたはインドの人なんです。」

へえー、そうなんだ! と思い見回すと、確かに違いがある。
「弘法大師のお師匠が隣に描かれているこの人、さらに向こうがそのまたお師匠…
 という風に、遡って描かれているんです。弘法大師は、8人目です」
弘法大師が一番最近の人なのね!びっくり。

「塔というのはね、お釈迦様のお墓なんですよ。
 インドでね、『ストゥーパ』と言われていたものが中国で『ソトバ』になって、
 日本で『塔』になりました。『ストゥーパ』はお墓のことで、
 どこから見ても拝めるように、高いお墓を建てたんです」
「それでこんなに高いんですね」
「はい。また、この五重塔は東京で建設中のスカイツリーのモデルです」
え、そうなの!?
「中央に心柱がありますね。これを中心にして各層を積み上げていて、
 力が分散する柔らかい構造になっているんです」
なるほど~~~

その他、仏像は金剛界の曼荼羅を表していることなど、静かに、
そして丁寧に説明をしてくださいました。
往時は極彩色だったであろうことがわかる壁の彩色、黄金だったであろう仏像群…
時を経て色褪せていても、その美しさは今なお鮮明に訴えかけてくるものがありました。


あまり興味がなさそうに説明を受けている修学旅行生たちを尻目に見ながら、
おじさんの話をちゃんと聞いておきなさい、
わたしはこの年になってここに来て勉強し直しているんだよ…と老婆心ながら思ってしまいました。
しかし、わたしがようやくこういったことに興味が持てる年になった、
ということもあるのでしょうね。

説明をしてくれたおじさまにお礼を言って、わたしは五重塔をあとにしました。
あとから、修学旅行生も出てくる。
勉強をしている真最中、ということではわたしも彼らと同じです。

このあと、当初の目当てであった帝釈天を観に、
金堂・講堂に向かうわけですが、それはまた、次回へ。
こころの旅は、まだまだ、続きます。




五重塔と修学旅行生。彼らのおかげでわたしもまた、あの頃の気持ちに戻って見ることができた。






18 May, 2011

美人のふるさと



京美人という言葉は有名です。
なんでも、秋田美人、博多美人と並んで、「日本三大美人」と言うそうな。


他にも、新潟、福島、沖縄、と
日本には美人の多いお国が複数存在しますね。
わたし、見つけました。もうひとつの美人の多いお国 in Japan を。


上記に挙げた秋田・新潟・福島はお米どころとしても有名です。
そしてもうひとつ京都の隣にもお米どころが…
京都にいるとよく目にする、「近江米」。
そう、琵琶湖とお江とひこにゃんのふるさと、滋賀県です。


「近江商人」という言葉があるように、
昔から、滋賀の人々は京に出て物を売り、働き、そして京都で生活をしてきました。
その文化が引き継がれているのか、
今なお、京都はかなりの割合で滋賀人が闊歩しています。
そういったおかげもあり、
京都は都会でありながら、独特ののんびりとした風情も併せ持っている。


わたしが働く職場でも、社員の半数(もしくはそれ以上)が滋賀から通って来ているそう。
そしてその女性たちが例外なく美人である。
たまたまそういった人が入社しているのかもしれませんが、
京都の町に華やかな彩を添えているのはまぎれもない事実です。
恐るべし、近江の血。


滋賀の美人は生来の美しさを持っていますが、
いわゆる「京美人」というのは、
より洗練された、所作、礼儀作法、気配りといった、
造作だけでない内面の美しさが際立つ女性を指すようにわたしは思います。


見目麗しい滋賀の美人に囲まれて、
目指せ、京美人。

16 May, 2011

好きなもの談義@六曜社地下店


絶品! 六曜社地下店のホームメイド・ドーナッツ


今日は京都に来て初めてできたお友だち・えんちゃんと烏丸御池で待ち合わせ。

えんちゃんは若くて、イラストレーターを目指すおしゃれさんで、その上べっぴんさん!
「ドーナッツが大すきなんですけど、六曜社には入ったことないんですー」
と言っていたので、じゃあ行きましょう!! と誘ったのが今日のきっかけ。
ここの有名なマスターが淹れるコーヒーと同じくらい、有名なドーナッツ。
せっかく京都にいて食べないのはもったいない!
ついでにギャラリーや雑貨屋さんも回ろう、ということになりました。

おしゃれ女子との待ち合わせに気合を入れすぎて、
30分以上早く着いてしまったわたし。
待ち合わせ場所隣のスタバでPCを開いて待つという、
柄にもない行動をぎこちなくこなすことにw

やがてえんちゃんと合流して色々な話をするのですが、
好きなお店、読んだ本、好きな音楽、買ったもの、e.t.c.
うそでしょ!? と思うくらいシンクロし、話がすごく盛り上がりました。
京都に来てこんなに早く話が合う人に出会えるなんて…
とってもうれしくなって、時間があっという間に過ぎていきました。

たくさん歩いて、今日の楽しい時間ももう終盤、となったころ、
メインイベントの六曜社地下店に行くことに。
週末には入れないこともあるくらい人気のお店なのですが、
入ってみるとその時は一番いい席が空いていて、
ゆっくりすることができました。

もちろん、頼んだのは2人ともドーナッツ。
沖縄のサーターアンダギーのような、
外側カリッと中はもちっとした食感で、甘さもちょうどいい。
その上お値段も良心的!
ほおーっと息をつき、幸せなひとときを過ごしました。

楽しい時間に、おいしいおやつ。
またひとつ、京都が好きになりました。


SHOP INFO.

六曜社地下店(コーヒー専門店、喫茶店、BAR)

京都市中京区河原町三条下ル大黒町36 地下一階
※地上1階の「六曜社」とはマスターが違います
075-241-3026

Cafe Open 12:00-18:00 Wednesday Close
Bar Open 18:00-24:00 Everynight Open

15 May, 2011

The Exhibition "Lupin the 3rd"


※画像は公式サイトより転載


京都駅に隣接するJR伊勢丹で開催中の『ルパン3世展』に行ってきました。

京都といえば日本の伝統文化のイメージですが、それだけではないんです!
例えば最近まで、東本願寺において
あの『スラムダンク』作者の井上雄彦氏が描いた
浄土真宗開祖・親鸞和尚の屛風が公開されたり、
市内には古い小学校の建屋を改装した「マンガミュージアム」という結構大きな美術館もあって、 
(ここについてはまだ後日投稿します)
サブカルチャーをも受け入れる京都の懐の深さを感じることができます。

さて本題に戻りますが、
わたしにとって「ルパン三世」といえば子どもの頃に見たアニメが最もなじみの深いもの。
この展覧会はアニメ化40年を記念して、モンキー・パンチ原作漫画の原画、
アニメセル画、映画絵コンテなどを展示した本格的なもの。

当時にしては画期的なハードボイルド&クールな作風で話題になった「ルパン3世」ですが、
アニメPART Iはその作風ゆえ視聴率が良くなかったらしく、
PART IIからはコミカルな部分を増やして放送されました。

このPART IIが大ヒットし、わたしの世代はこのPART IIの再放送を見てルパンを知った、
ということになるわけです。
(PART Iはルパンのジャケットが青緑でPART IIは赤)
今日の展覧会で知ったのですが、
わたしに最もなじみの深かった「ルパン3世 PART II」は
リアルタイムではなく再放送だったんですね。

ルパン、不二子、次元、五右衛門、銭形、と魅力的な登場人物の中で、
わたしは断然、次元派!
ルパンとは真逆の「普段クールでたまーにコミカル」がいいんです。。



会場にあった垂幕の次元さん…素敵です。


一緒に展覧会を観に行った夫と、
帰りはルパン三世のテーマを鼻歌しながら家路へ・・・

昨日はナタリー・ポートマン主演『ブラック・スワン』を観たので
チャイコフスキーの「白鳥の湖」を口ずさみながら帰ったわたしたち、
とにかく目先のものに影響されやすい性格と言えます(笑)

老いも若きも楽しめる京都、
これからもその企画力に注目していきたいと思わせられる展覧会でした。



14 May, 2011

わたしの好きな京都 2 ~七条の…~



京都へ来るにあたって、満3年間勤めた東京での出版社の仕事を退職したわたし。
しかしながら新生活には先立つものが必要です。
特に今年は何かと物入りになる予定もある。
そこで行きました、わたしの好きな京都・第2回目は
京都駅からすぐそばにある、『ハローワーク七条』です。

今までハローワークには計3ヶ所行きましたが、
ここはダントツで対応が素晴らしい。
(東京・K区の某ハローワークはひどかった…)
混んでいる時には待たされることも当然ありますが、
仕事が速く、いかにも有能な人がいる受付。
親切・親身・豊富な知識、かつ親近感のわく相談窓口。
待たせず明快に答えてくれる電話対応。

その対応にとても感動したわたし、夫にそのことを報告すると、
夫いわく「京都は学生も多いから、対応には慣れてるんだと思うよ」
とのこと。
就活生も多いからではないか、ということですね。
さすが京都、こんなところにもお客様対応のプロの文化の片鱗が…

ただでさえ不安なことも多い転職活動。
このハローワークでは、京都で働く人を応援する、
真摯な姿勢を素直に感じることができました。
こんなことから、京都で暮らすことへの小さな安心が生まれてくるのかもしれません。

「おおきに」





※Bloggerの不具合により前回記事が消えてしまったので、再UPします。


京都に来て2ヶ月が経ったころ、現在勤務しているお仕事が決まり、
それまで経験したことのない業界に足を踏み入れることになりました。

それは、呉服問屋。

京都の人とともに仕事をし、京都をもっと知りたいと考えてはいましたが、
ある意味でこんなにも京都らしいところで働くとは、思ってもいないことでした。

絨毯敷きの床で商品を広げ、一点ずつ手作業で札を付け、
紙の伝票に記入する。
こんなにアナログな仕事がまだあったなんて…
とても新鮮で興味深く、特殊な業界であることを感じました。

そして一番驚いたのが、出入りする仕入先のかた(業者さん)
と顔を合わせたときに交わす 「おおきに」 という挨拶。
これはこの業界で同業者同士が交わす昔からの習慣とのこと。

関西以外の人間が思いつく、
京都といえば、の言葉「おこしやす」に続くこの「おおきに」ですが、
生粋の京都人でも、お客さま相手の仕事をされるかた以外は
滅多に使わない言葉らしく、発するのに抵抗があるかたもいる模様。

わたしは生まれも育ちも東京なので、
はじめはかなり不自然なイントネーションで発していましたが(笑)、
郷に入れば郷に従え、頻繁に使っているとなんとなくサマになってきたような?

言霊ということばが日本にはありますが、
おなかの中から、からだの中から、
京都の人間になっていけるのだなあと思うと、
感慨深い気持ちになります。

11 May, 2011

わたしの好きな京都 1 ~高瀬川~



記念すべき第1回目の「京都」は『高瀬川』。

京都に来て、一番最初にわたしが好きになったのが、
かつて京都と伏見を結んでいたこの用水路。
五条あたりから七条あたりまでの場所が特に好きなのですが、
この辺りでは観光客もおらず、地元のかたが通るくらいのもの。
鴨川に沿うようにひっそりと静かに佇んでいます。

わたしの憧れの地であり、
京都と姉妹都市でもあるフランス・パリの名所、
サンマルタン運河のイメージをもっと小ぶりに、
そして日本的にしたような情緒のあるところです。

上流には木屋町など、歓楽街と桜の絶景で有名な場所も。 
京都に来るまで知らなかったのですが、
森鴎外の『高瀬舟』という名作の舞台にもなりました。

昭和のヒット曲、渚ゆう子さんの『京都慕情』にもその名が登場しますね。



鴨川の夜景や川床もいいけれど、私はここが好きです。

川岸では「おえかきタイム」も時々あるみたいです。



10 May, 2011

ブログスタート!


はじめまして!
結婚を機に東京から京都へ来て3ヶ月目を迎え、
ブログをスタートすることにしました。
旅行者の目線、地元住民の目線、両方の視点で捉えた
私なりの「京都」(ときどきその他)をのんびりとしたペースで綴っていこうと思います。
どうぞよろしくお願いします。