19 October, 2011

たまには、こんなのも。






たまには京都と全然関係ない話題を。

最近好きな動画があって、それが"100 Years Style East London"
スペイン?かどっかのアパレルメーカーが新店オープンのプロモーションで作ったそうです。

2011年から100年遡ってファッションの変遷を見せてるんだけど、
これがすごい。
衣装だけでなく、ダンス、音楽、背景、メイクまで変えてどんどん切り替わっていくんです。
全て同じダンサーがやっているので、衣装を変えメイクを変え、
撮影に丸3日間かかったらしい。

個人的には冒頭と終わりの2011年のファッションと、
0:44から0:47あたりのファッションが好きです。(1950年代後半あたり?)


こういうの好きです。
やっぱり、ファッションは楽しい。

18 October, 2011

心得

テーブル上の幸福


挙式まで1ヶ月を切り、最も忙しい時期を迎えています。

バタバタしているようでいて、思ったほどではない感じもしています。
それというのも、やはり沢山の人の支えがあってこそ。

挙式準備をしていると、本当に色々な人たちに助けてもらっていると感じる。

理解ある、職場の上司や先輩。
式場のスタッフの方たち。
招待状の活版印刷を手がけてくれたマダム。
ブーケを依頼するフローリストショップのスタッフの方。
ヘアサロンのスタイリストさん。
エステサロンのお姉さん。
ウェルカムボードの額装について教えてくれたハンズのスタッフさん。
マリッジリングを買ったお店で働く知人。
二次会幹事を承諾してくれた夫の友人。
受付や余興を引き受けてくれた友だち。
退職後3年も経つのに列席してくれる元上司。
きょうだい。
被災地から来てくれる親族。
多大な協力をしてくれた両家の両親。
そして沢山の我儘を聞いてくれた夫。

お店の方には対価を払っていることも勿論あるけれど、
サービスされている、という感覚は全然無い。
助けてもらっている。これに尽きます。 

周りの人、特に夫には日頃から
「ありがとう」という感謝の言葉を伝えることを心がけています。
(そのかわり、夫には我儘やイライラをぶつけることも沢山ありますが…)

一番近い夫婦だからこそ。
ちょっとしたことでも。
日常の中にこそ。


東京にいた頃。
回り道が多くて、思いつきで行動して不安定で、逃げ出したりしたこともありました。
逆に会社に泊まりこみで働いたり、職場の方とケンカしたり、ストレスで病気したり。
慣れない仕事で一生懸命頑張って、3年目にやっと、
滅多に人を褒めない先輩に知らないところで褒められていたこともあったなあ…

行雲流水 則天去私

わたしの座右の銘。
あるがままに。なすがままに。
私欲を捨てて天に従う。

がんばらない私が、それなりに頑張ったこともある。
でもそうやって生きてきたつもりでいた自分が、
本当は沢山の人に生かされてきたのだということ。

遅ればせながら、挙式準備を機に深く感じたこの思いを、
長く長く、心に刻んでいこうと痛感した最近です。

28 September, 2011

自転車生活


写真手前がわたしの愛車。京都ブーランジェリーの名店Le Petit Mecにて


「すみません、錦市場はどっちですか?」

烏丸通で自転車に乗って信号待ちをしていた時に、
おじいさんとおばあさんの2人連れに声をかけられました。

ついに来た、この時が。
観光客に道を訊かれるこの時が!
京都地元住民の証、
「レンタサイクル札がついていない自転車に乗っている」わたし。
たとえ日が浅くても地元住民に変わりはありません。

でもまだ足掛け程度の地元住民なので、
「え~っと…錦市場はこっち…あ、違う。四条を越えて…」
しどろもどろ。
おじいさん、「交差点を渡って右ですね」
わたしよりうまく言ってるし(笑)
その後、「ありがとうございます」とお礼を言われました。
単純にうれしかったですね、やっぱり。

京都の市街地は、車は混むし、歩く人もそこそこ多いし、
地下鉄は本数がそこまで多くありません。
それで地元の人にとって便利なのが市バス
(まあ車なので道が混んでいるのは変らないけど)
もしくは自転車ということになる。
観光客でも自転車を借りて行動する人は多いです。

でも問題がひとつ。
絶対的に、駐輪場の数が少ない。
路駐も多いけどさすがに京都は景観保全エリアが多く、
撤去の心配は東京の繁華街と変りません。

それで京都一のショッピングエリアである、
河原町四条・三条・烏丸四条辺りに行く時は
いつも駐輪場所に困って結局バスを使うことが今までは多かった。

でも最近いい場所を見つけました。
有料だけど、まず撤去の心配がないし、そんなに高くもない。
以下、自分への備忘録も兼ねて書きます。
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1:河原町四条 京都高島屋駐輪場

 高島屋で買い物をすると3時間無料。以降1時間100円。

2:烏丸四条 ラクエ烏丸駐輪場

 施設での買い物に関係なく1時間100円。

他にも、京都駅前のヨドバシカメラ駐輪場は2時間無料、以降6時間毎に100円。
※市営駐輪場は省略しています。

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これくらいの価格だと、長時間じゃなく1・2時間停めたい時に便利。
どっちも便利な場所にありますしね。

ここ数日は自転車で出かけるのにも快適な季節になりました。
場所も時間も賢く使って、京都での自転車生活を楽しんでいきたいと思います。



京都のサブカルチャー発信地・恵文社一乗寺店前に並ぶ自転車たち。

17 September, 2011

チェロが待つ風景



ご無沙汰しております。
更新を怠ったまま、忙しさにかまけて2ヶ月も経ってしまいました…

さて。
そんな忙しい日々の中、三条通りを歩いていて
「京都文化博物館」の前を通りかかったときのこと。

『フェリックス 室内合奏団 第23回 演奏会 14:30~』

こんな看板が目に入りました。
「へえ~こんな所でクラシックコンサートやるなんて、素敵~」

京都文化博物館は、前を通る度に気になっていた、とても威風堂々した洋館。
そんなクラシカルな場所でコンサートなんて、
わたしにとっては夢のような取り合わせ。
そんな風に思いながらもさすがにチケットは予約制よね、
と思いながら看板を2度見すると、

入場無料

「む、無料!? 無料だって!! 入ろう!! 今何時!?」

横にいる夫に時間を確認してもらうと、丁度14時。
興奮気味に中に入ると、外観からの期待を裏切らない素晴らしい内装。
一目で、旧銀行だなと思わせる窓口のレリーフが眼前に並んでいました。






ここは、旧日本銀行の京都支店、重要文化財として指定されています。
かつて業務が行われていたであろう窓口の奥のスペースが今回の演奏ホール。
天井も高く、すぐそこの廊下が演奏者の楽屋として使われているところなど、
それこそ明治や大正の時代を彷彿とさせるシチュエーション。
おしゃれしたマダムたちが続々と入ってくる。
わたしもきちんとした格好で来ればよかった! と何度思ったことか…

チェロが待っている。
古い洋館に横たわるチェロ。
そんな風景を、わたしは今まで一度も見たことがありませんでした。
たぶん、これからも見る機会は少ないと思います。
 
フェリックス室内合奏団は、京阪神地区の大学オーケストラの首席奏者や
音大OB・OGをメンバーとして結成された弦楽合奏団。
今回のコンサートは、普段クラシックの演奏会を聴きに行きたくても
なかなか行けない小さなお子さんがいる方や、
また子どもたちにオープンスペースで音楽を楽しんでもらおうという趣旨で開催されたもの。
京都って、こういうところがあるから本当に大好き。
東京ではなかなか目にすることがありません。

コンサート開始。
プログラムは、バッハ、レスピーギ、ショスタコーヴィチによる3曲。
特にわたしが好きな「シチリアーナ」という小曲を含む
2曲目のレスピーギの「リュートによる古代舞曲とアリア 第3組曲」は素晴らしく、
ラストで感動と興奮のあまり涙が…

普段はどこにでもいそうな印象のメンバーの方々(すみません)。
しかしOB・OGと侮る無かれ、音楽を真剣に学び楽器を演奏できるということは、
もしかしたらそれによってその人の人生が変わるんじゃないかと思わせるほどの名演でした。

ヴァイオリンを演奏するフェリックス代表の方の手は、
ヴァイオリンを弾くためにあるように思えたし、
ああこの人は人生を音楽に捧げたんだな、と真摯な姿勢が伝わってきたのです。
(あくまでも推測ですが)

演奏者や指揮者と、客席が非常に近いので、
演奏者の息遣い、呼吸、緊張、額に浮かぶ汗、
また聴衆の感動、興奮が手に取るようにわかる。
(そして時々、赤ちゃんの声!)

アンコールはおなじみの曲、「G線上のアリア」で締めくくられました。

いやー、本当に良かった! 来年も行きたい。
文化力。京都にいると、本当に頻繁に感じます。

コンサートは、今年は諸事情により例年より1ヶ月余りほど遅れて開催されたようですが、
通常は8月頃に行われるようです。楽しみです。


Felix室内合奏団:http://square.umin.ac.jp/~itoh/felix.html






12 July, 2011

京都タワーに上ってみた




家から徒歩の距離にある京都タワー。
ベランダから見えるのでそこそこ満足していたのですが、
天気のいい日に上から京都の町を見てみたい! ということで、
ついに上ってきました。



展望室から京都駅、南側を見る

展望台の高さは丁度いい高さ。
望遠鏡の性能がすごくいいなあ~と思ったら、
なんのことはない、東京タワーなんかと違って高さが高さなので、
見ようと思う範囲が肉眼で確認できる距離だからじゃないかという夫の指摘が。
ちなみに我が家の室内の窓際に干してあった洗濯物が見えました(笑)



どーん。望遠鏡で見えた巨大な大仏さま。前方は八坂の塔。


京都タワーは構造が特殊で骨組み(鉄骨)が一切ないらしい。
カニの足と同じで殻のような円筒で全体を支えているとのこと。


それから東京タワーのノッポンと同様、
京都タワーにも「たわわちゃん」なるゆるキャラがいます。
しかしこれがゆるキャラと呼んでいいのか微妙な相貌で…



これが「たわわちゃん」。バッグが手作り感満載!


わたしが持っているガイドブックに寄稿した小説家の方いわく、
「たわわちゃんの相貌は恐怖と絶望を端的に表現しているとして高く評価されています。
 (グッズは)怖いので私は持っていません」
(KYOTO ART & CULTURE MAP アートを楽しむ京都地図本
 京阪神エルマガジン社刊より抜粋)

たしかに絵で見る分にはいいのですが、
3Dになると怖さが増す気がする(笑)

実際、写真を一緒に撮りませんか~と
ガイドのお姉さんがたわわちゃんとともに声かけをしているのですが、
ほとんどの子どもが写真を撮る中、中には怖がる小さな女の子のお子さんも・・・
でもたわわちゃんが登場して以来、来塔者が増えたそうです。


わたしが上った日は天気も良く、大阪のビル群まで見ることができました。
あと五山(大文字焼きの「大」とか「妙」とか)が見えるのもいいし、
すごく楽しめました。

ランドマークに行ってみるのも、たまにはいいものですね。

03 July, 2011

そこは、ニュージーランドの家の匂いがした。




滋賀県の安曇川にある、ソラノネ食堂に行ってきました。

京都から山をひとつ越え、琵琶湖沿いに北上して2時間ほど。

このソラノネでは、かまどで炊いたご飯を食べたり、
特産のブルーベリー摘み体験をしたり、
ただただのんびりしたり、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

広大な農地と、ハンドメイドのレストラン。
お年を召した方も、若い方も、そしてペットも楽しめる場所。

レストランに着いて席に着くと、
そこはわたしがニュージーランドで半年間滞在した、
ログハウスと同じ木の香りがしました。



ご飯はおひつに入れられてサーブされる。おこげがうれしい!

すうっと深呼吸をして、緑の大地を見渡して。
子どもたちがシャボン玉を吹いていたり、
木陰でおしゃべりに興じる女性たち。
たまにはこんな週末も必要ですね。



しろつめ草で花冠を。なつかしい少女時代。


敷地内のしろつめ草を編んだとき、
時間を忘れて集中してしまいました。
わたしの中の大事な一部分を再認識…
こういうことを、いつまでも忘れない大人でいたい。


帰り道は琵琶湖に寄って、こちらでものんびりしたひとときを過ごしました。

関西に来るまでは知らなかった風光明媚な滋賀が、
わたしが大切にしている時間を思い出させてくれた、そんな一日になりました。


21 June, 2011

叡電に乗って



駅舎も、のんびり。



東京から程近い鎌倉に江ノ電があるように、
京都には叡山電鉄(略して「えいでん」。)があります。
のんびりした駅舎、住宅地すれすれを走っていく感覚が似ている。


違いといえば、まず海がないことと、ICカードが使えないこと。
切符を買って乗り、降りるときは降車口横の料金箱に切符を入れます。




叡電に乗って、茶山駅へ。
ランチはお気に入りのレストランで。




prinzは、レストラン、ブックストア、ガーデン、ギャラリー、アパートテル(宿泊施設)まで備える複合ショップ。
店員さんも親切で、何よりごはんが美味しい。




ブックストア兼カフェスペース













この日は、「ミッフィー」の作者、ブルーノ・ムナーリの作品展示が。





お店では、売り物の本が好きに読めるうえ、
写真を撮っている人もたくさんいるし、
お庭にも出てOK。
おじいさんがひとりで来ていることも。
なんとも自由な雰囲気です。

ここでパーティーをしたら楽しいだろうな~と思わせる場所。

いつか、アパートテルにも泊まってみたいと思っています。


19 June, 2011

エレガントになるために




最近、口紅を買いました。
口紅を買うなら絶対にシャネル。
そう心に決めていた。


30歳を目前にして、わたしが今心がけていることは、
品格のある女性になること。
上品、エレガント、言いかたは色々あるけれど。


話し方、気配り、立居振舞い、
姿勢、知識教養、マナー…


見た目だけでは測れないもの。
それが品格として内面からにじみ出てくるものとはわかっていても。


かたちから入るのはわたしの悪いくせです。
でも、「かたち」が目標に近づけてくれることもある。




お料理屋から出てくる舞妓さん。
妻として、母として、女性として、かくあるべしを教えてくださった、ある店の女性主人。
器を買ったら、「お料理に精出して、頑張ってくださいね」と言ってくれた骨董屋のご主人。




京都の町にふさわしい、品格ある女性になるために。
この町には至るところにお師匠がいる。
この空気を思いっきり吸って、常に心がけよう。




そして一つ言えること。




女に生まれて、よかった!

16 June, 2011

森の本棚





先日、北山にある京都府立植物園に行ってきました。

一緒に行ったのは先日も登場したえんちゃん。
わたしの「ここにあるキノコ型本棚が見たい!」というお願いに一緒に来てくれました。




えんちゃんと噴水


ここには様々な種類の花はもちろん、噴水、竹林、日本庭園、
子どものための遊具広場、梅林、熱帯植物温室、
針葉樹の森(まるで北欧にいるような気分になれる)なんて場所まであって、
1日かけて回っても十分なくらいの広さがあります。
写真を撮る人、スケッチする人も沢山いました。

今の季節はバラ園が見事!
そして今まで見たバラ園の中でも有数の広さでした。
バラの名前って素敵なものが沢山あって大好き。











「夢」・・・名前まできれい。

「伊豆の踊り子」という名前のばら



バラ園は良く手入れされていて、見ていると『不思議の国のアリス』を思い出します。
(別のエリアになりますが、菖蒲も見ごろで、こちらの花には純和風のいい名前がつけてありました。)

おなかが減ったのでそれぞれ持ってきたお弁当をバラ園のベンチで。
なんという贅沢!!




ベンチもおしゃれ。園内の至るところに沢山設置されています


「何あれ?! 葱か?」 近未来的容貌の謎の花


昼食後、「未来くん広場」というなんとも未来的名称のゾーンに行くと、
そこにはお目当ての屋外キノコ型本棚が!
これこれ~☆




開けると児童書がぎっしり! ファンタジックな場所。

なんて素敵な発想!
児童書が大好きなわたし、将来子どもができたら絶対にまたここに来よう、と決意しました。
すぐ近くでシートを敷いたママたちが子どもを遊ばせてのんびりおしゃべり。
子どもにはファンタジーが必要です。

このすぐ裏には熱帯植物の温室も。
ラフレシアからマンゴーの木、バオバブなどなど珍しいもののオンパレード。
お勉強になります。

他にも、ガチョウのダブルデートの現場を目撃したり、
おじさま達のカメラが本格的過ぎて度肝を抜かれたりと、
ゆっくりするはずが沢山歩き回って楽しんでしまいました。


近辺はおしゃれなカフェや雑貨屋さんが多数存在するエリアなので、
カフェでおしゃべりしたあと、
ほぼ三十路という年齢にも関わらず(苦笑)
なぜか外国製のシャボン玉を購入して家路に。
きっと、キノコ型の森の本棚がそうさせたに違いありません。


心地よい疲れと美しい花々、そしてファンタジー。
わたしは時々乙女です(笑)




サボテンは、アーティスティックな形と存在感が好き。

11 June, 2011

京都の初夏







突然ですが、3日前の晩、突然おなかが痛くなりました。
おへその奥が痛み出したのが発端で、初めて経験する痛み。
近所の診療所に行ったその日の晩にさらに痛みがひどくなり、
救急病院にも行って検査したところ、
なんとわたしが胎児だった頃に母親とつながっていた臍帯の名残り
(ほとんどの人は生まれてからなくなるものらしいのですが、
 まれに血管などが体内に残る人がいるらしい)
がなんらかの原因で炎症を起こしているのかもしれない、とのお話が。


尿膜管遺残、というらしいのですが、
今朝になっておへその周りが赤く腫れだしたので再度診療所に行き、
現在抗生物質を飲んでいます(><)
はじめて聞いた話だったのでびっくりして、ついつい母親にも報告してしまいました。


夫と一緒に着々と結婚式の準備をはじめていて、
まさに生まれた家を文字通り出ようとしているさなか、
こうしたことを体験するのは不思議な縁(?)と思えないこともなく…
なんだか心に触れるものがありました。
タイトルとは全く関係のないエピソードですが、書き留めておこうと思った次第です。




さてさて、そんな騒ぎが一段落した後、
四条通をさらに上がって大好きな六角通りへ。
この通りにある「大極殿 栖園」は創業明治18年、和菓子・甘味処の老舗。
ここにわたしが待ちに待ったものがあるのです!


それは冬以外の一年を通して供される名物、「琥珀流し」。
なぜ待っていたかというと、月替わりで替わるメニュー上、
魅力的な「梅シロップ」が6月にならないと食べられなかったのです。
念願の琥珀流し、おへそが痛くても(笑)絶対にはずせない~~!!


暖簾をくぐり店内に入ると小ぶりで上品な佇まい。
席から見えるお庭や調度品も素晴らしい。





店内から表通りを見たところ

こちらは席から中庭を見たところ。




そして待つことしばし…
ついに念願の琥珀流しとご対面!



これが「琥珀流し」! 夫はわらび餅を注文。こちらも絶品!




そして感動ののど越しへ…


美味しい…
想像通り…
幸せ…
京都に来て本当に良かった…


もう感動のあまり恍惚と、走馬灯のようにさまざまな思いが駆けめぐり、
天国にいるかのような心地になりました。
大げさではありません、どんなに両親を連れてきたいと思ったことか。


丁度いい甘さ、冷やし加減、そしてお店の雰囲気。
全てがパーフェクト。
夫が食べたわらび餅も、今まで食べたどのわらび餅よりもなめらか。
なんとメニューには「琥珀流し・ミニわらび餅セット」なるものまであり、
そんなものを頂いた日には家に帰れなくなるかもしれません(これは大げさ・笑)。


待った甲斐があったとはこのことです。
7月のペパーミント、9月の葡萄、11月の柿もお目当てなので、
毎月のようにお楽しみが。想像するだけで幸せです!
「栖園」は季節によって替わる店先の暖簾も有名で、
通るだけで目を楽しませてくれるお店です。こちらも楽しみ。




「栖園」を出たあと、通りをひとつ下がって蛸薬師通りへ。
こちらにはわたしが先日とある依頼をした、素敵なお店があります。





京都の町にふっと現れる、まるでヨーロッパにあるような素敵なお店


お店の名前は、「THE WRITING SHOP」。
その名の通り「書く」ための素敵な紙や道具を扱っているのですが、
ただの紙や筆記具ではありません。
オーナーのKaeさんが集めたヨーロッパの紙やカード、インク、版画が揃う、
こだわりが随所に感じられるお店です。
確かな審美眼で選び抜かれたものたちの、美しい佇まい。
こちらに引っ越してきたばかりの頃、偶然通りかかって見つけたお店です。


今日は休日ということもあって、
お店はお客さまが沢山いらして忙しそうだったのですが、
「○○さん(わたしの名前)、ちょっと待ってね!」と声をかけて頂いて、
お話しする時間を持つことができました。
京都の町にぴったりの、美しいお店です。




最近はこちらもかなり蒸し暑くなってきました。
先日関西電力が管内の企業・家庭に向け
夏季の電力消費15%削減要請を発表したばかりですが、
工夫をしながらこの夏を乗り切りたいと思います。

京都には暑い夏を少しでも素敵に過ごすための場所が
本当に沢山ありますから。

08 June, 2011

そうだ、東寺いこう ~金堂・講堂編~



ご無沙汰しております。
忙しくしていたもので更新がだいぶ遅れてしまいました。
今回は前回の続き、東寺について書いていきます。

五重塔をあとにして、次に向かったのは金堂。
入ってすぐのところにあった説明書きの隅にもありがたい言葉が。

『欲深き人の心と降る雪は
 積もるにつれて道を失う』

…欲深い自らの身にズッシリと重いこの言葉…
日頃の自分を猛省しました(^^;)

さて、内部は撮影禁止なのでお見せできないのが残念ですが、
ここには3体の仏像が並んでいます。
その大きさが、とにかく「でかい…」のひとこと。

中央に薬師如来像、その両側に日光菩薩と月光菩薩。
薬師如来はその名が表す通り、医学の仏さま。
この3体、薬師如来が大病院の病院長、
日光・月光菩薩を日勤の看護長と夜勤の看護長として例えることもあるそう。
 
ここを管理しているとおぼしき男性が、観光客相手に三尊の説明をしていらっしゃる。
そのお話が印象的でした。

「…菩薩ばかり並べていてもしょうがない、
 わたしらの願いを叶えるには如来の力が必要だから。
 だが如来だけでもいけない。
 如来は菩薩がいないと皆の願いを叶えられないんです」

如来は、仏教の十界の中で悟りを開いた最高レベルの状態にいる存在のこと。
菩薩はその下になるのですが、如来のレベルにあっても、
他者の力を借りないと自らの力を発揮できない、というわけです。
わたし、このことに非常に感銘を受けました。
絶対的な存在ではなく、仏も他者の協力を得てこそ仏として人を幸せに導くことができる。
なにも仏さまに限ったことではありません。
わたし達も同じではないでしょうか。
こんなにも優しく、親近感があり、わかりやすくわたし達に教える方法が、他にあるでしょうか。
こういったアジア的な考えが、わたしは好きです。

金堂の内部では、壁際の縁に腰掛けてゆったりと拝観することができます。
お年を召した方にも優しい造り。さすが薬師三尊を配するお堂です。





五重塔横の木々の間にて。木漏れ日がすき。


次はお目当ての帝釈天が安置されている講堂へ。
ここでも修学旅行生に説明をしているガイドのおじさんのお話を横から拝聴。
最近のX線調査で、不動明王の頭部に、
言い伝えの通り宝物が入れられていることがわかったとか!

そして遂に帝釈天とご対面の時が…

確かにイケメンだ!!!

でも仔象に跨っているのがミスマッチで面白いような…(笑)
パンフの写真では胸部から上の部分しか写ってないからわからないけど、
その下がこんな風だとは思ってなかった!
いやいや!! 笑っては明王さまに対して不謹慎よ、わたし。

修学旅行生の一班に、ガイドのおじさんが
「仏さまの顔、どんな風に見えた? 優しい顔に見えた?
 優しい顔に見えたのはね、あなたが優しい気持ちになったから…」
と話しながら講堂を出て行くのを耳にしながら、
一体一体をゆっくり観たあと、わたしも講堂をあとにしました。

拝観料が必要になるエリアの出口にさしかかると、
丁度いい具合の場所にお茶屋とお土産屋が。
わたしも我慢ならず修学旅行生に混じってソフトクリームをペロリ。
そしてお土産屋の出口には、
なんと表にさらされた状態で破格の『帝釈天ポスター 100円』の文字が!!
21体ある講堂の中で唯一ソロでポスター販売されちゃうくらいイケメンなのに、
野ざらしでしかも100円て!? ええー!? と思いながら、
その価格ゆえ購入を真剣に検討。(1分間くらい)結果、
「我が家のインテリアには確実に合わない、
 すぐ近くだしまた来れるから今回は」
見送ることに。
またすぐに買いに行ってしまうかもしれませんが(笑)


思いもかけず長居をして非常に感動的だった東寺。
我が身を振り返り、日本人であるわたし、アジア人であるわたし、
そういったアイデンティティを見つめることができました。
また行きたくなる京都、その一端を見れた素晴らしいひと時に、
感謝、感謝です。



東寺境内から市街を望む。奥に京都タワー。






24 May, 2011

そうだ、東寺いこう ~五重塔編~




お坊さまが歩く京都、舞妓さんが歩く京都、観光客が歩く京都。
そして今の季節、最もよく目にするのが修学旅行生。


京都にいるのにお寺にしばらく行ってないぞ、と思い
そうだ、東寺に行こう! 家から自転車ですぐだし、
なんでも国宝の帝釈天像はイケメンで名高いらしいし!!


国宝の山であるお寺さまに行くのに不純な動機で向かったわたし。
そして図らずも、修学旅行生の団体に混じることになり、
それが東寺探訪を思わぬ感動の時間とさせてくれました。




京都のシンボルとも言える五重塔。
五重塔と言えば八坂の塔(法観寺)でしょ、と思っていたわたしに、
夫は「いや、京都人にとっては五重塔って言ったら東寺でしょ。 
前よく通るし。八坂のほうは観光地だからなあ」とひと言。
な~るほど。まだまだ観光者気分のわたしは、
駅向こうの東寺のほうにあんまり行ったこともないし、
京都のかたに馴染みのあるという五重塔を近いうちに観にいこう、
と心に決めていたのでした。


当日は雲ひとつないパキッとした快晴。
むしろ暑すぎる…初夏を通り越して夏の始まり、と言えるようなカンカン照りの日。
ゆっくり境内を歩く。参道では縁日の準備が始まっている。
大きな樹の影がはっきりと濃い昼下がり…





このお堂の壁側面に並んでいるのは…

ひとつひとつ異なる、如来、菩薩、明王が描かれている。



アップで見るとこんな感じ。


ほのかに賑やかな参道を通り過ぎ、
御影堂に入る。



「聖域につき、自転車乗り入れ禁止」。こんな注意札も、京都では納得。

御影堂では、お経をあげてもらっている人がいたり、
熱心に祈っている人もいて、静粛な時間が流れていました。



御影堂側から参道を望む。厳粛な時間と対比する縁日の眺め。


静かなお堂をあとにし、メインイベントの五重塔に向かう。
修学旅行生が多い、きっとここだな、と思いながら拝観券売所を見つけ、
敷地に入ると見えてきた、見えてきた、五重塔。
近づくにつれてその大きさが増し、前に着く頃にはさすがの圧巻の眺め。
これが本物かあーと感慨深く思いながら、内部に入る。



これが江戸時代から建っているなんて!
 
おもての暑さが信じられないほど、
ひんやりと冷たい空気に包まれてほの暗い。
真ん中には四つの柱に囲まれた仏像、
四方の壁には偉いおかたと思われる僧侶の画。
あれ、お坊さまの足もとには靴も描かれているなあ、
と目を凝らして見ていると、修学旅行生数人の班が入ってきて、
一班ごとに同行しているとみられるガイドのおじさんの説明を受けている。
おっ、いいなあ。わたしも解説のおじさんにお話してもらいたいなあと思っていた矢先、
出口近くの学芸員のおじさまに声をかけていただいた。

「この四方の壁にはね、弘法大師(=空海。東寺の創建に関わった人)をはじめとして、
 全部で8人の高僧が描かれています。
 足もとに靴が描かれたかたは中国の人、
 サンダルのようなものが描かれたかたはインドの人なんです。」

へえー、そうなんだ! と思い見回すと、確かに違いがある。
「弘法大師のお師匠が隣に描かれているこの人、さらに向こうがそのまたお師匠…
 という風に、遡って描かれているんです。弘法大師は、8人目です」
弘法大師が一番最近の人なのね!びっくり。

「塔というのはね、お釈迦様のお墓なんですよ。
 インドでね、『ストゥーパ』と言われていたものが中国で『ソトバ』になって、
 日本で『塔』になりました。『ストゥーパ』はお墓のことで、
 どこから見ても拝めるように、高いお墓を建てたんです」
「それでこんなに高いんですね」
「はい。また、この五重塔は東京で建設中のスカイツリーのモデルです」
え、そうなの!?
「中央に心柱がありますね。これを中心にして各層を積み上げていて、
 力が分散する柔らかい構造になっているんです」
なるほど~~~

その他、仏像は金剛界の曼荼羅を表していることなど、静かに、
そして丁寧に説明をしてくださいました。
往時は極彩色だったであろうことがわかる壁の彩色、黄金だったであろう仏像群…
時を経て色褪せていても、その美しさは今なお鮮明に訴えかけてくるものがありました。


あまり興味がなさそうに説明を受けている修学旅行生たちを尻目に見ながら、
おじさんの話をちゃんと聞いておきなさい、
わたしはこの年になってここに来て勉強し直しているんだよ…と老婆心ながら思ってしまいました。
しかし、わたしがようやくこういったことに興味が持てる年になった、
ということもあるのでしょうね。

説明をしてくれたおじさまにお礼を言って、わたしは五重塔をあとにしました。
あとから、修学旅行生も出てくる。
勉強をしている真最中、ということではわたしも彼らと同じです。

このあと、当初の目当てであった帝釈天を観に、
金堂・講堂に向かうわけですが、それはまた、次回へ。
こころの旅は、まだまだ、続きます。




五重塔と修学旅行生。彼らのおかげでわたしもまた、あの頃の気持ちに戻って見ることができた。