21 June, 2011

叡電に乗って



駅舎も、のんびり。



東京から程近い鎌倉に江ノ電があるように、
京都には叡山電鉄(略して「えいでん」。)があります。
のんびりした駅舎、住宅地すれすれを走っていく感覚が似ている。


違いといえば、まず海がないことと、ICカードが使えないこと。
切符を買って乗り、降りるときは降車口横の料金箱に切符を入れます。




叡電に乗って、茶山駅へ。
ランチはお気に入りのレストランで。




prinzは、レストラン、ブックストア、ガーデン、ギャラリー、アパートテル(宿泊施設)まで備える複合ショップ。
店員さんも親切で、何よりごはんが美味しい。




ブックストア兼カフェスペース













この日は、「ミッフィー」の作者、ブルーノ・ムナーリの作品展示が。





お店では、売り物の本が好きに読めるうえ、
写真を撮っている人もたくさんいるし、
お庭にも出てOK。
おじいさんがひとりで来ていることも。
なんとも自由な雰囲気です。

ここでパーティーをしたら楽しいだろうな~と思わせる場所。

いつか、アパートテルにも泊まってみたいと思っています。


19 June, 2011

エレガントになるために




最近、口紅を買いました。
口紅を買うなら絶対にシャネル。
そう心に決めていた。


30歳を目前にして、わたしが今心がけていることは、
品格のある女性になること。
上品、エレガント、言いかたは色々あるけれど。


話し方、気配り、立居振舞い、
姿勢、知識教養、マナー…


見た目だけでは測れないもの。
それが品格として内面からにじみ出てくるものとはわかっていても。


かたちから入るのはわたしの悪いくせです。
でも、「かたち」が目標に近づけてくれることもある。




お料理屋から出てくる舞妓さん。
妻として、母として、女性として、かくあるべしを教えてくださった、ある店の女性主人。
器を買ったら、「お料理に精出して、頑張ってくださいね」と言ってくれた骨董屋のご主人。




京都の町にふさわしい、品格ある女性になるために。
この町には至るところにお師匠がいる。
この空気を思いっきり吸って、常に心がけよう。




そして一つ言えること。




女に生まれて、よかった!

16 June, 2011

森の本棚





先日、北山にある京都府立植物園に行ってきました。

一緒に行ったのは先日も登場したえんちゃん。
わたしの「ここにあるキノコ型本棚が見たい!」というお願いに一緒に来てくれました。




えんちゃんと噴水


ここには様々な種類の花はもちろん、噴水、竹林、日本庭園、
子どものための遊具広場、梅林、熱帯植物温室、
針葉樹の森(まるで北欧にいるような気分になれる)なんて場所まであって、
1日かけて回っても十分なくらいの広さがあります。
写真を撮る人、スケッチする人も沢山いました。

今の季節はバラ園が見事!
そして今まで見たバラ園の中でも有数の広さでした。
バラの名前って素敵なものが沢山あって大好き。











「夢」・・・名前まできれい。

「伊豆の踊り子」という名前のばら



バラ園は良く手入れされていて、見ていると『不思議の国のアリス』を思い出します。
(別のエリアになりますが、菖蒲も見ごろで、こちらの花には純和風のいい名前がつけてありました。)

おなかが減ったのでそれぞれ持ってきたお弁当をバラ園のベンチで。
なんという贅沢!!




ベンチもおしゃれ。園内の至るところに沢山設置されています


「何あれ?! 葱か?」 近未来的容貌の謎の花


昼食後、「未来くん広場」というなんとも未来的名称のゾーンに行くと、
そこにはお目当ての屋外キノコ型本棚が!
これこれ~☆




開けると児童書がぎっしり! ファンタジックな場所。

なんて素敵な発想!
児童書が大好きなわたし、将来子どもができたら絶対にまたここに来よう、と決意しました。
すぐ近くでシートを敷いたママたちが子どもを遊ばせてのんびりおしゃべり。
子どもにはファンタジーが必要です。

このすぐ裏には熱帯植物の温室も。
ラフレシアからマンゴーの木、バオバブなどなど珍しいもののオンパレード。
お勉強になります。

他にも、ガチョウのダブルデートの現場を目撃したり、
おじさま達のカメラが本格的過ぎて度肝を抜かれたりと、
ゆっくりするはずが沢山歩き回って楽しんでしまいました。


近辺はおしゃれなカフェや雑貨屋さんが多数存在するエリアなので、
カフェでおしゃべりしたあと、
ほぼ三十路という年齢にも関わらず(苦笑)
なぜか外国製のシャボン玉を購入して家路に。
きっと、キノコ型の森の本棚がそうさせたに違いありません。


心地よい疲れと美しい花々、そしてファンタジー。
わたしは時々乙女です(笑)




サボテンは、アーティスティックな形と存在感が好き。

11 June, 2011

京都の初夏







突然ですが、3日前の晩、突然おなかが痛くなりました。
おへその奥が痛み出したのが発端で、初めて経験する痛み。
近所の診療所に行ったその日の晩にさらに痛みがひどくなり、
救急病院にも行って検査したところ、
なんとわたしが胎児だった頃に母親とつながっていた臍帯の名残り
(ほとんどの人は生まれてからなくなるものらしいのですが、
 まれに血管などが体内に残る人がいるらしい)
がなんらかの原因で炎症を起こしているのかもしれない、とのお話が。


尿膜管遺残、というらしいのですが、
今朝になっておへその周りが赤く腫れだしたので再度診療所に行き、
現在抗生物質を飲んでいます(><)
はじめて聞いた話だったのでびっくりして、ついつい母親にも報告してしまいました。


夫と一緒に着々と結婚式の準備をはじめていて、
まさに生まれた家を文字通り出ようとしているさなか、
こうしたことを体験するのは不思議な縁(?)と思えないこともなく…
なんだか心に触れるものがありました。
タイトルとは全く関係のないエピソードですが、書き留めておこうと思った次第です。




さてさて、そんな騒ぎが一段落した後、
四条通をさらに上がって大好きな六角通りへ。
この通りにある「大極殿 栖園」は創業明治18年、和菓子・甘味処の老舗。
ここにわたしが待ちに待ったものがあるのです!


それは冬以外の一年を通して供される名物、「琥珀流し」。
なぜ待っていたかというと、月替わりで替わるメニュー上、
魅力的な「梅シロップ」が6月にならないと食べられなかったのです。
念願の琥珀流し、おへそが痛くても(笑)絶対にはずせない~~!!


暖簾をくぐり店内に入ると小ぶりで上品な佇まい。
席から見えるお庭や調度品も素晴らしい。





店内から表通りを見たところ

こちらは席から中庭を見たところ。




そして待つことしばし…
ついに念願の琥珀流しとご対面!



これが「琥珀流し」! 夫はわらび餅を注文。こちらも絶品!




そして感動ののど越しへ…


美味しい…
想像通り…
幸せ…
京都に来て本当に良かった…


もう感動のあまり恍惚と、走馬灯のようにさまざまな思いが駆けめぐり、
天国にいるかのような心地になりました。
大げさではありません、どんなに両親を連れてきたいと思ったことか。


丁度いい甘さ、冷やし加減、そしてお店の雰囲気。
全てがパーフェクト。
夫が食べたわらび餅も、今まで食べたどのわらび餅よりもなめらか。
なんとメニューには「琥珀流し・ミニわらび餅セット」なるものまであり、
そんなものを頂いた日には家に帰れなくなるかもしれません(これは大げさ・笑)。


待った甲斐があったとはこのことです。
7月のペパーミント、9月の葡萄、11月の柿もお目当てなので、
毎月のようにお楽しみが。想像するだけで幸せです!
「栖園」は季節によって替わる店先の暖簾も有名で、
通るだけで目を楽しませてくれるお店です。こちらも楽しみ。




「栖園」を出たあと、通りをひとつ下がって蛸薬師通りへ。
こちらにはわたしが先日とある依頼をした、素敵なお店があります。





京都の町にふっと現れる、まるでヨーロッパにあるような素敵なお店


お店の名前は、「THE WRITING SHOP」。
その名の通り「書く」ための素敵な紙や道具を扱っているのですが、
ただの紙や筆記具ではありません。
オーナーのKaeさんが集めたヨーロッパの紙やカード、インク、版画が揃う、
こだわりが随所に感じられるお店です。
確かな審美眼で選び抜かれたものたちの、美しい佇まい。
こちらに引っ越してきたばかりの頃、偶然通りかかって見つけたお店です。


今日は休日ということもあって、
お店はお客さまが沢山いらして忙しそうだったのですが、
「○○さん(わたしの名前)、ちょっと待ってね!」と声をかけて頂いて、
お話しする時間を持つことができました。
京都の町にぴったりの、美しいお店です。




最近はこちらもかなり蒸し暑くなってきました。
先日関西電力が管内の企業・家庭に向け
夏季の電力消費15%削減要請を発表したばかりですが、
工夫をしながらこの夏を乗り切りたいと思います。

京都には暑い夏を少しでも素敵に過ごすための場所が
本当に沢山ありますから。

08 June, 2011

そうだ、東寺いこう ~金堂・講堂編~



ご無沙汰しております。
忙しくしていたもので更新がだいぶ遅れてしまいました。
今回は前回の続き、東寺について書いていきます。

五重塔をあとにして、次に向かったのは金堂。
入ってすぐのところにあった説明書きの隅にもありがたい言葉が。

『欲深き人の心と降る雪は
 積もるにつれて道を失う』

…欲深い自らの身にズッシリと重いこの言葉…
日頃の自分を猛省しました(^^;)

さて、内部は撮影禁止なのでお見せできないのが残念ですが、
ここには3体の仏像が並んでいます。
その大きさが、とにかく「でかい…」のひとこと。

中央に薬師如来像、その両側に日光菩薩と月光菩薩。
薬師如来はその名が表す通り、医学の仏さま。
この3体、薬師如来が大病院の病院長、
日光・月光菩薩を日勤の看護長と夜勤の看護長として例えることもあるそう。
 
ここを管理しているとおぼしき男性が、観光客相手に三尊の説明をしていらっしゃる。
そのお話が印象的でした。

「…菩薩ばかり並べていてもしょうがない、
 わたしらの願いを叶えるには如来の力が必要だから。
 だが如来だけでもいけない。
 如来は菩薩がいないと皆の願いを叶えられないんです」

如来は、仏教の十界の中で悟りを開いた最高レベルの状態にいる存在のこと。
菩薩はその下になるのですが、如来のレベルにあっても、
他者の力を借りないと自らの力を発揮できない、というわけです。
わたし、このことに非常に感銘を受けました。
絶対的な存在ではなく、仏も他者の協力を得てこそ仏として人を幸せに導くことができる。
なにも仏さまに限ったことではありません。
わたし達も同じではないでしょうか。
こんなにも優しく、親近感があり、わかりやすくわたし達に教える方法が、他にあるでしょうか。
こういったアジア的な考えが、わたしは好きです。

金堂の内部では、壁際の縁に腰掛けてゆったりと拝観することができます。
お年を召した方にも優しい造り。さすが薬師三尊を配するお堂です。





五重塔横の木々の間にて。木漏れ日がすき。


次はお目当ての帝釈天が安置されている講堂へ。
ここでも修学旅行生に説明をしているガイドのおじさんのお話を横から拝聴。
最近のX線調査で、不動明王の頭部に、
言い伝えの通り宝物が入れられていることがわかったとか!

そして遂に帝釈天とご対面の時が…

確かにイケメンだ!!!

でも仔象に跨っているのがミスマッチで面白いような…(笑)
パンフの写真では胸部から上の部分しか写ってないからわからないけど、
その下がこんな風だとは思ってなかった!
いやいや!! 笑っては明王さまに対して不謹慎よ、わたし。

修学旅行生の一班に、ガイドのおじさんが
「仏さまの顔、どんな風に見えた? 優しい顔に見えた?
 優しい顔に見えたのはね、あなたが優しい気持ちになったから…」
と話しながら講堂を出て行くのを耳にしながら、
一体一体をゆっくり観たあと、わたしも講堂をあとにしました。

拝観料が必要になるエリアの出口にさしかかると、
丁度いい具合の場所にお茶屋とお土産屋が。
わたしも我慢ならず修学旅行生に混じってソフトクリームをペロリ。
そしてお土産屋の出口には、
なんと表にさらされた状態で破格の『帝釈天ポスター 100円』の文字が!!
21体ある講堂の中で唯一ソロでポスター販売されちゃうくらいイケメンなのに、
野ざらしでしかも100円て!? ええー!? と思いながら、
その価格ゆえ購入を真剣に検討。(1分間くらい)結果、
「我が家のインテリアには確実に合わない、
 すぐ近くだしまた来れるから今回は」
見送ることに。
またすぐに買いに行ってしまうかもしれませんが(笑)


思いもかけず長居をして非常に感動的だった東寺。
我が身を振り返り、日本人であるわたし、アジア人であるわたし、
そういったアイデンティティを見つめることができました。
また行きたくなる京都、その一端を見れた素晴らしいひと時に、
感謝、感謝です。



東寺境内から市街を望む。奥に京都タワー。